WinActor 業務システム向けRPAツール

日本ソフト開発からWinActor®を
導入いただいたお客様の事例をご紹介します。

CASE 05

株式会社イシダ様

情報システム部 部長
経営企画室 室長
西村 正様
営業管理部
東西産機営業管理課 課長
若林 忠司様
当社営業コンサル
菖蒲池 徹
当社営業コンサル
廣瀬 菜摘

2018年に「WinActor®」を導入

京都府京都市左京区に本社を置く計量システム機器大手のイシダ様。早くからITの利活用に積極的に取り組んできた同社では、2018年に「WinActor®」導入をプロジェクト化し、社内情報システム部門が定めたガイドラインに沿って、完全内製でRPAを推進しています。導入の背景や効果、自社内に定着させる秘訣などについて、情報システム部 部長 兼 経営企画室 室長の西村 正様と営業管理部 東西産機営業管理課 課長の若林忠司様にお話を伺いました。

※掲載されている情報は2022年8月の取材時点のものです。

運用ガイドラインによりリスクを回避し
実践的な社内研修でRPA人材を育成
はじめに、イシダ様の事業内容や特徴についてご紹介ください。(菖蒲池)
若林様

当社は1893年に、国内初の民間はかりメーカーとして創業しました。ターニングポイントとなったのは、1972年に開発した「組み合わせ計量機」のヒットです。大きさや形状が異なる食品を一定量ごとに計量して袋詰めできる機械で、その分野では世界シェアトップを誇ります。現在は長年培った計量技術を柱に、生産・物流・流通の全工程をカバーできるシステムソリューションメーカーへと進化し、100カ国以上で事業を展開しています。

RPAを導入した背景についてお聞かせいただけますか。(廣瀬)
若林様

当時、経理課に所属しておりましたが、毎月、非常に多くの伝票処理に組織として膨大な時間を費やしていました。伝票は紙で処理されておりましたので、紙の情報を端末に手入力していました。また、人力であるために、ヒューマンエラーをゼロにすることができませんでした。こうした状況を何とか改善できないかと考え、情報システム部門に相談したのがきっかけです。

西村様

若林から相談を受けた2017年ごろというのは、ちょうど全社的にITを活用してワークスタイルを変革していくタイミングでした。まずは、社内の紙書類を減らすため、ワークフロー化の対象を徐々に広げペーパーレス化を推進している時期でした。

若林様

情報システム部が構築したワークフローシステムによって、紙ベースの業務プロセスがデジタル化され、作業工数を大きく削減することができました。しかし、それでもシステム間のデータ連携において、一部の手入力作業が残りました。そこで、当時注目され始めていたRPAを使えば、ワークフローシステムと基幹システムのデータ連携を自動化でき、さらなる業務効率化が実現するのではないかと考えました。実際にあるベンダーからご紹介いただいたRPAツールを試してみたところ、大きな効果を実感できました。ただ反面、全社展開するには使い勝手の面で少々ハードルが高いかもしれないとも感じていました。

西村様

そんな時、出会ったのが、当社のメインファクトリーと同じ滋賀県で「WinActor®」を扱う日本ソフト開発さんだったんです。早速製品を試してみると、先のツールより操作が視覚的・直感的に分かりやすく、また、専任のエンジニアにサポートしていただける日本ソフト開発さんのフォロー体制にも安心感を覚えました。全社展開を踏まえて重視していた、使いやすさとアフターフォローの両面に期待を持てたことが導入の決め手になったと思います。

「WinActor®」の社内展開にあたって取り組まれたことを教えてください。(廣瀬)
西村様

RPA導入をプロジェクト化するとともに、運用に関わるガイドラインを策定しました。ルールや評価プロセスがない状態で全社展開を図ると「野良ロボット(管理者不在のRPAロボットのこと)」が生まれるリスクや基幹システムの安定稼働を脅かすようなプログラムが現場で作成されるリスクがあると考え、最初にガイドラインの策定を行いました。その上でRPAの導入を希望する部門から、キーパーソン約30名を選出してもらい、日本ソフト開発さんにご支援いただきながら、週1回・半年間の研修を行いました。RPA人材を育成するこの研修を、当社では親しみを込めて「寺子屋」と呼んでいます。

若林様

当社のRPA導入がスムーズに進んだのはやはり、情報システム部がガイドラインをしっかりと定めたことと、「寺子屋」を開催したことが大きかったです。各部門にライセンスを渡して「あとは頑張ってください」と一方的に推進するのではなく、現場が安全かつ能動的に活用できるように情報システム部門がサポートすること。このアプローチが大切だと思います。

「寺子屋」では、プロジェクトメンバーの方々が自部門の具体的な業務の自動化に取り組みました。
対象業務はどのように選定されたのですか?(菖蒲池)
西村様

当初は、部門ごとにRPAで自動化できる業務を洗い出してもらい、情報システム部がガイドラインに沿ってロボット開発可否の判断を行いました。開発の優先順位が高いのは、難易度が低く、工数削減効果が高いもの。反対にNGとしたのは、たとえば経費精算など、人の判断や決裁行為が必要な業務です。
「寺子屋」では、日本ソフト開発の優秀なエンジニアの方々が講師として直接開発支援をしてくださったので、知識の定着と短時間での開発の双方が図れました。

若林様

育成段階のRPA人材が、通常業務の空き時間に自力でマニュアルを見ながらロボットを作成することは簡単ではありません。「寺子屋」で集中的に指導を受け、早い段階で「リアルな業務改革につながるロボットを作れたこと」が個々の成功体験となり、モチベーションアップ、ひいては全社展開のスピードアップにつながったと感じています。

社内研修「寺子屋」の効果
  • 業務改革への意識が全社的に高まる
  • 開発が属人化しない
  • 短時間で集中的にロボットを開発できる
  • ノウハウが部門を超えて共有される
  • 講師から直接アドバイスがもらえ、知識が定着しやすい
  • 教育の重要性を再認識する機会になる
RPAは開発・運用して終わりではなく、
投資対効果を評価することも大切
その後はどんな取り組みをされましたか?(菖蒲池)
若林様

「寺子屋」に参加したメンバーが自動化のキーパーソンとして、RPAを自部門内に普及させたり、新たなロボットの開発に取り組んだりしました。現在は、生産計画業務やアフターサービスの部品発注業務、製品仕様選定業務など、16部署で計30ライセンス(100以上のプログラム)が稼働しています。

西村様

導入した後の運用として、RPAのライセンスを毎年棚卸し、各RPAの投資対効果を評価する取り組みも欠かせません。評価によって、ロボットの改善や、不要なロボットの解約を行っています。

RPAの導入による効果はいかがでしょうか。(廣瀬)
若林様

何といっても「省力化」が大きいですね。投資対効果でみると、営業管理部ではフルタイム人材3人分のコスト削減を実現しています。定性効果としては、創出された時間を使ってデータ分析など、より付加価値の高い業務に取り組めるようになりました。また、入力ミスなどのヒューマンエラーがなくなり、オペレーション品質の向上も図れています。

今後の展望についてお聞かせください。(廣瀬)
西村様

「WinActor®」の導入によって業務効率化の気運が高まり、各現場では「この業務もRPAで自動化したい」という声がどんどん上がっているようです。今後はRPAプログラムを開発できる人材をさらに増やすことが目標。実現に向けて、「寺子屋」第2弾をぜひ開催したいですね。OCRなど他のテクノロジーとの連携も検討中なので、引き続きご支援をお願いします。

もちろん、サポートさせていただきます。
最後に、これからRPAに取り組む企業様にぜひ、アドバイスをいただけますか。(菖蒲池)
若林様

RPAによる自動化は目的ではなく、業務改革によって組織を良い方向に変えていくための手段。そのことを常に意識しながら、現場を巻き込んで自動化を進めることがポイントになるのではないでしょうか。そして、日本ソフト開発さんのような専門家のお力を借りることで、RPAの効果を最大限に引き出すことができると思います。

RPAをスムーズに導入するコツ
  • RPAありきで考えず、現場の業務効率化を一番の目的とする
  • 運用に関するルール等を定めたガイドラインを策定する
  • 自社に合ったRPAツールやベンダーを選定する
  • 前段で自動化したい紙ベースの情報をデータ化しておく
  • RPAの導入を全社的なプロジェクトにする
  • 実践的な社内研修を行い、RPA人材を育成する
株式会社イシダ様
本社所在地 京都府京都市左京区聖護院山王町44
※インタビューは滋賀事業所(滋賀県栗東市下鈎959-1)で実施
事業内容 計量・検査・包装機器等の開発・生産・販売
公式サイト https://www.ishida.co.jp/
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